緊急医療と災害医療の違いとは?

日本では昔と比べると、地震や台風、洪水など様々な自然災害に見舞われています。また火事や噴火なども急に起こる可能性は大いにあります。いつ発生するかわからないものも含めこうした災害現場での医療対応は通常とは異なります。災害医療は、緊急医療、通常医療と異なります。特に間違えられやすいのは緊急医療ですが、災害医療との大きな違いは医療従事者の数と医療機関が「完備された状態」である事です。緊急医療は、病院内や救急車で病院へ搬送される患者が緊急性を問われる状態での医療です。容体がかわるなど深刻な事に変わりはありません。災害医療は、災害や大規模な事故が発生した際に医療機関や医療従事者の数よりも負傷者が多い、または数がわからないほど存在する際の医療対応です。

地震や飛行機事故などの突発的なものから、台風被害や洪水による川の氾濫など予期せぬ状態が起こる状況の中で災害医療では3つの事に注意するように指導しています。
1つ目は選別です。医療的な観点で被災者の搬送順に優先度をつけなくてはなりません。被災地での医療環境が整うまで治療を待っていては、助かる命がたすからなくなる可能性があります。
2つ目は搬送です。災害地では十分な設備がありません。安全な場所で被災者の治療をするために搬送手段と搬送が一番必要な被災者は誰なのか判断しなくてはなりません。
3つ目は被災地での治療です。被災者が全員搬送できるのが一番ですが、それまでの間に手当ができる人から順を追って治療していきます。災害医療は医療従事者が講習を受ける事でその資格が得られます。